フルリノベーション |O様邸
築年数
約43年
建坪面積
約65坪
建物形態
入母屋平屋住宅
BEFORE
AFTER
【依頼の経緯】
弊社ホームページをご覧になり、お問い合わせ頂きました。
初めての打ち合わせから数カ月後、
相見積もり5社?6社?の中から選んで頂きました!
・・・こんなにたくさんの会社と打ち合わせをされていたのを知ったのは、契約後の話ですが(汗)。
【ゾーニングにあたっての住宅R工房の考え方】
「純和風造りの入母屋平屋住宅ですが、室内は古民家を感じさせない別空間にして欲しい。」というかなり強~いご要望に応えるべく、誰もが息を飲むような圧倒的なデザイン空間でありながら、女性目線の暮らしやすい動線を確保した間取りなど、細かなところまでしっかりとご提案し、テーマとコンセプト、インテリアイメージを明確にしながら進めさせていただくこととしました。
【工事の進め方】
梁と柱を残し、あとは全て解体するフルリノベーション。
基礎部分もコンクリートを敷き詰め防湿を強化、配管も全て新しく、屋根も土瓦から陶器瓦に葺き替え、サッシもLow-eにと、断熱にも配慮した工事。
【施工後記】
太い梁を出し、間接照明やタイル貼りで上質な雰囲気にモダンミックスされた空間は、デザインと職人の匠な技を駆使し、入母屋の新たなスタイルを生み出しました。
全て叶えたという施主様のお言葉通り、ダイナミックな見応えのある家が完成しました。
ここまで辿り着くのに長かった。
広さもありましたが、決めることも多く、家5軒分くらいの打ち合わせをした感じです。
●まずは着工日前日間取り変更事件
今までの間取りより、もっと合うテレビ置き場のデザインがひらめき、上司とお客様、現場監督に説明して着工前日に突然の間取り変更⁉工事前からドタバタでした。
●今更ですがキッチンメーカー変更事件
奥様が気に入っていた発注間近のキッチンがありましたが、
つくばに新しくできたキッチンショール―ムに行った際、更にこの家に合うキッチンに出会ってしまいまして、、、急遽ご提案させて頂きました。
I型からセパレート型とキッチンスタイルも変更のため、ダイニング全体の図面を書き直さなくてはならず、現場をストップさせてしまうため、この時点での変更は通常はないのですが、完成した素敵なダイニングの想像がついていたので、提案に迷いはありませんでした。奥様も気に入っていただいたので変更決定!
現場のみなさんごめんなさい
●アイデア出せ出せご要望事件
「どんな家に住みたいか、どんな暮らし方をしたいか、理想を遠慮なくお話ください!」
お客様へいつもお伺いする言葉ですが、
こちらのご主人様、おもしろいご要望を遠慮なくたくさん言って下さるので、こちらもプロとしてそれ以上のご提案をできるようにしなければと、必死でした!
動く本棚の後ろに階段が、、、
壁の向こうには秘密の部屋が、、、
平屋なのに 階段が!しかも何個あるの?
フレキシブルに変化するミシン台
・・・などなど
本棚ひとつ造るのにも、デザイナーとして価値あるものにしたくて、細かい図面も書きました。ニト〇、IKE〇さんなどのカゴがぴったり入るような寸法も考えたりして。
キッチンサイドのデザインウォールも、こんなにたくさんのニッチに、細かいタイルはカットできないから貼れないと、現場で言われ、じゃあタイル割の図面書けば貼ってくれるんですね!と現場監督に言い切り、2.5mmのタイル割に細かすぎて、気が遠くなりそうになりながら書き上げました。
造作が多かったので、家具図面もいっぱい書いたわ。
●天井の梁どうするのよ!事件
新築と違って、取れない柱や解体したらこんなの出てきた!など日常茶飯事で、最初に書いた設計図も常に修正しながら進めていくのですが、天井を解体して出てきた梁を見たときは絶句しました。
通常3本上に入っているのですが、こちらの家は倍の6本、しかも太くて立派。この道50年の親方もはじめて見たというのだから、ほんとすごい。
この梁をどう見せるかでご夫婦の意見が分かれ、打ち合わせも揉めました。複雑な天井も、バラバラな意見もどうまとめて良いか、冷や汗をかきながらの話し合いでした。
完成後は気に入って下さったので、梁の見せ方はどうあれ、やはり仕上がりが良ければ何事もうまくいくのだと改めて認識しました。仕上がり重要!がんばらなくては。
●こだわりたいだもん事件
手洗いボウルや一枚板の無垢材、玄関に貼る大谷石などは、何回か足を運び、わたしが納得して選んできたものを付けさせて頂きました。作家さんや職人さんが作り上げる作品は、全て手作業のため、ひとつひとつ違うものをカタログやWebサイトだけでは決めることはできなかったためです。
手洗いボウルも水の落ちる場所や、掃除がしやすい水栓の選び方など奥が深いのです~
●シンクロ事件
工事も中盤になると、打ち合わせも増え、施主様の望まれる「理想の家」を理解し、ご家族の性格までなんとなく把握してくると、これを提案したらこういうだろうな~という回答の言い方まで予想通りになるくらい、気持ちがシンクロしていました(笑)。
●収納計画って本当にわかってますか?事件
棚や家具のデザインをするにあたっては、収納計画シートを作成させて頂き、何をどこにしまうか、どこで使うか、この棚にはこれを置くから奥行は何センチ必要かなど、具体的にお伺いしていきました。住まわれた後もきれいな状態を保っていただけるよう、収納の場所だけではなく、形や大きさ、掃除のしやすさって重要なのです。たくさんあればいいというものではないのです。
好評なのは、
*リビングテレビボード背面収納。リビングに散らかりがちなものや、ちょっと置いてしまう上着などを掛ける場所を造らせて頂きました。TVやOA機器配線も隠し扉の中に仕舞えるように。
*ガラスのケースに入った大きな節句のお人形が3体ありましたので、サイズを測り飾れる場所を用意しました。
*打ち合わせの間、隣の部屋の神棚から立派な習字がぶら下がっていたので、これも飾る場所を造らせて頂きました(スポットライト付きで)。
●ライフスタイルを考えて事件
間取りは生活動線を考えるのは通常ですが、ご家族の一日の行動を確認しながら、整理収納ができること、またお子様が小さかったので、先輩ママとして、お子様たちの成長とともに変化する家族の過ごし方から受験期のことまでお話しながら、将来を見据えた設計、主婦感覚のこんなところにこういうものがあると便利!という女性目線のデザイン、カラーコーディネイトのご提案もさせていただきました。
現場は、こんなところにもこだわるの?と、話し合いが度々あり、ぶつかることもありましたが、職人魂が強い方たちと一級建築士が現場監督として入っているので、施工は安心でした。
●終わっちゃうの⁉ロス事件
11月に着工以来、大切に大切に進めていた工事も終了。
終わりが見えてくるころには、度々涙が出てきていました。
施主様を含めたリノベチーム一丸となって目指した圧倒的なデザイン空間。
実現のため、毎日夢中で過ごした日々が終わりを迎え、
寂しい気持ちと、やりきった達成感。また、こんなにいろいろやらせて頂いたことへの感謝の気持ちが溢れてきました。
解体中、床が抜けてコントのように落下して痛かったけれど。
それもまた思い出
●その他
完成内覧会実施(3日間)
ご来場数 76組。